禅の宗派はどれも良い

禅宗は中国・崇山少林寺で面壁九年修行した達磨大師を初祖としており、六祖慧能の代で北宗禅と南宗禅に分かれて、南宗禅から臨済宗曹洞宗が派生し、日本に伝来しました。

臨済宗公案と言う謎の問答を用いる看話禅(かんなぜん)として知られており、曹洞宗は只管打坐(しかんたざ・ただひたすらぶっすわる)の黙照禅(もくしょうぜん)として知られています。

個人的には臨済宗への思い入れが強く、江戸時代に渡来した中国臨済僧・隠元禅師を開祖とする黄檗宗にも関心があったのですが、禅への学びが深まるにつれて道元禅師の曹洞宗にも興味が出て来ました。

 

関東に住んでいた頃は東京都品川区にある曹洞宗東照寺の出口鐵城老師に参禅する事を考えていたので、福井県にある曹洞宗大本山永平寺に参拝した際に坐禅用の座蒲を購入しました。

参拝の記念になる事と、値段が5200円と格安だった事と、ビロード生地の茶色い座蒲が珍しかった事もあって、つい衝動買いしてしまったのです。

因みに、ビロード生地は「別珍(べっちん)」とも言い、坐り心地が優しい上に摩擦係数が高いので、座中の姿勢が崩れ難いのが特徴です。また、中身も綿ではなくパンヤという生地を入れたものが最高だと言われています。

曹洞宗 座蒲

 

 

座蒲を購入する前は、ホームセンターで購入した足踏み台を座具にしていました。これはこれで見かけによらず、姿勢がバッチリ決まります。

足踏み台は非常に頑丈かつシンプルな作りなので壊れ難いですし、体が大きい方や、体重がある方、体が硬くて結跏趺坐では座れない人の場合は、座蒲よりもこちらの方が良いかも知れません。

私も半跏趺坐や勇猛坐(ゆうみょうざ)でしか座れない人なので、今でもたまにこの座具を使用する事があります。

足踏み台の座具

 

 

臨済宗黄檗宗)と曹洞宗の違いは、食事の際に用いる食器にも表れています。禅僧(雲水)の食器はマトリョーシカのような入れ子碗になっていて、臨済宗では持鉢、黄檗宗では自鉢、曹洞宗では応量器と呼びます。

応量器は梵語でパートラと言い、日本国内の禅宗は六客のセットで、中国禅宗黄檗宗は三客です。「鉢」の定義は「皿より深く碗(わん)より浅い上部の開いた食器」となっています。

因みに、自前の鉢で食事をすると、非常に気分が出ます(笑)応量器の使い勝手については、本家サイトの記事を御一読ください。

darshana-marga.net

 

 

 

永平寺御用達、吉田屋漆器様のオンラインショップでは、雲水が使う本物の応量器(黒漆塗りの応量器6客・匙・箸・刷・水板・鉢単・袱紗・膝掛・浄巾・箸袋)のセットを購入する事が出来ます。

しかし、セット価格が6万円もする高級漆器を日用使いにするのは、あまりにも恐ろしい。何故なら、漆器は扱いが悪いと剥げるからです。塗り直しも出来ますが、それなりに費用と手間がかかります。

曹洞宗の箸と匙は一般の物と殆ど変わりませんが、臨済宗に匙は無く「雲水箸(うんすいばし)」と言う巨大な箸だけを使います。巨大な理由は、拍子木の代わりしたり、冬場の寒い食堂でかじかんだ手でも持てるようになっているからだと聞きました。

 

雲水箸は、京都にある黄檗宗萬福寺売店で販売しています。以前は京都・妙心寺の直営WEB SHOPでも購入出来たのですが、残念ながら現在はラインナップから外れています。